見た目だけで選ぶと後悔?建材のコストとメンテナンス事情

家づくりを考え始めると、内装・外装の「デザイン」や「雰囲気」を重視して建材を選びがちですよね。インスタや住宅展示場で見かけた“おしゃれな家”に憧れを持つのは、当然のことです。

でもちょっと待ってください。
建材には「見た目」だけでなく、「価格」や「耐久性」、「メンテナンス性」といった重要な要素が多くあります。

実際、「あの素材、最初は素敵だったけど、数年でメンテナンス地獄…」なんて声もよく聞かれます。

この記事では、「建材選びにおける“本当のコスト”」と「後悔しないためのメンテナンスの視点」を、外壁・屋根・床材などの具体例とともにわかりやすくご紹介します。


1. コスト=初期費用+ランニングコスト+メンテナンス費

まず押さえておきたいのは、建材にかかる“コスト”は初期費用だけではないということ。

よくある誤解は、

「ちょっと高いけど気に入ったから、これにしよう」
という“初期費用”だけでの判断です。

でも、実際には以下の3つが重要です。

✔ 初期費用

導入時にかかる建材そのものの価格+施工費。

✔ ランニングコスト

冷暖房効率などに影響する断熱・遮熱性能。建材によって光熱費が変わることも。

✔ メンテナンスコスト

塗装の塗り替え・張り替え・掃除など、定期的に必要な手間とお金。

つまり、「安いから」「おしゃれだから」と安易に選ぶと、数年後に思わぬ出費や手間がかかるケースがあるのです。


2. 外壁材の選び方:意外と差が出るメンテナンス頻度

外壁は、住宅の“顔”とも言える大事な部分。
外からの見た目を左右するだけでなく、風雨・紫外線から家を守る機能もあります。

● サイディング(窯業系)

現在、最も多く使われている外壁材。

メリット:

  • デザインのバリエーションが豊富
  • 比較的リーズナブル(㎡あたり3,000〜5,000円)

デメリット:

  • 10〜15年に一度、塗装やコーキングの打ち替えが必要
  • 紫外線・雨風で劣化しやすい

初期コストは安いが、15〜20年後に数十万円のメンテ費用が必要


● タイル外壁

高級感があり、メンテナンスが少ないことで人気。

メリット:

  • 非常に耐久性が高い(30年以上劣化しにくい)
  • 汚れも付きにくく、メンテナンスフリーに近い

デメリット:

  • 初期コストが高め(㎡あたり8,000〜15,000円)
  • 割れると補修に手間とコストがかかる

初期費用は高いが、長期的にはコスパが良い


● モルタル(塗り壁)

ナチュラル・海外風な外観にしたい人に人気。

メリット:

  • デザインが自由、表情豊か
  • 自然素材系の外壁との相性が良い

デメリット:

  • ひび割れしやすい
  • 10年ごとに再塗装などのメンテナンスが必要

見た目はおしゃれだが、定期的な補修が必要


3. 屋根材のコストと耐久性も見逃せない

屋根材は、普段目にしない分「とりあえずで決めてしまう」人も少なくありませんが、実は雨漏りリスク・寿命・耐震性に関わる大事な部分です。

● スレート(カラーベスト)

多くの住宅で使われている定番屋根材。

メリット:

  • 初期費用が安い(㎡あたり4,000〜6,000円)
  • 軽くて施工性が良い

デメリット:

  • 10〜15年ごとに塗装や補修が必要
  • 劣化すると割れやすい

初期費用は安いが、定期的なメンテナンスが前提


● ガルバリウム鋼板

シンプルモダンな住宅で人気。耐久性にも定評あり。

メリット:

  • 軽くて地震に強い
  • 錆びにくく、メンテナンスが少ない(20年近く塗装不要)

デメリット:

  • 雨音が響きやすい
  • 金属素材なので断熱対策が必要

長期的に見るとコスパが高い優秀な屋根材


● 瓦(日本瓦・洋瓦)

伝統的な重厚感ある屋根材。

メリット:

  • 耐久性は抜群(50年以上持つものも)
  • 断熱・遮音性が高い

デメリット:

  • 重く、地震に不利
  • 初期費用・下地施工費が高め

長寿命だが、構造への負担も考慮が必要


4. 室内建材:床材・壁材は“汚れやすさ”にも注目

室内の建材も、見た目や素材感で選びたくなりますよね。でも、ここも注意が必要。

● 無垢フローリング

天然木の温もりや経年変化を楽しめる人気素材。

メリット:

  • 肌触りが良く、足元が温かい
  • 調湿性があり、健康的

デメリット:

  • 傷・汚れがつきやすい
  • 定期的なワックス・メンテナンスが必要

「味」として楽しめるならおすすめだが、ズボラな人には不向きかも?


● フローリング(複合・合板)

現在主流の床材。無垢材の見た目に近づけたタイプも多い。

メリット:

  • 比較的安価でメンテナンスも楽
  • 傷が付きにくく、掃除もしやすい

デメリット:

  • 経年劣化しやすい
  • 表面材が剥がれると補修が難しい

手軽に使いやすいが、20〜30年で張り替えを考慮


5. 見た目と性能、両方でバランスを取るには?

建材選びで「見た目」だけを優先してしまうと、

  • 思ったより劣化が早かった
  • こまめな手入れが面倒だった
  • 長い目で見ると出費がかさんだ
    という事態に陥りやすくなります。

では、どうやって“後悔しない選び方”をするか?

✔ 1:必ず「耐久年数」「メンテナンス頻度」を調べる

カタログや施工会社に、目安となる年数・必要な手入れを聞きましょう。

✔ 2:ライフスタイルに合っているかを考える

たとえば、

  • 小さな子どもやペットがいる → 傷や汚れに強い素材が◎
  • 忙しくて掃除やメンテが苦手 → “メンテナンスフリー”に近い素材を

✔ 3:施工事例・住んでいる人の声を調べる

インスタやブログ、住宅系YouTubeなどの“リアルな声”はとても参考になります。


まとめ|素材は「10年後の姿」まで想像して選ぼう

家づくりは「今この瞬間の好み」だけでなく、「10年後、20年後の暮らし」にも目を向けることが大切です。

今回ご紹介したように、建材にはそれぞれ特徴があり、“見た目が良い=手入れが楽”とは限りません。

長い目で見たときに、

  • 無理なく手入れできるか?
  • 将来的なコストが抑えられるか?
  • 家族の暮らしに合っているか?

こうした視点を持つことで、きっと後悔のない建材選びができるはずです。

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